加圧筋力トレーニングの効果ですが、一つの実験例を挙げます。
平均年齢60歳の女性20名が、約4ヶ月間、加圧筋力トレーニングを行った場合です。
被験者は、上腕のつけ根、つまり脇の下のより少し下の部分に弾性のある専用の加圧ベルトを巻き、腕の曲げ伸ばし運動であるダンベルカールを15回×3セット行いました(個々で圧は違いますが、平均の圧が110mmHg。週2回)。
ダンベルの重さは、被験者の最大筋力の30〜50%と非常に軽く、トレーニングの常識で考えると、通常ではとても筋肉が太くなるような負担ではありません。
通常の筋力トレーニングではどうでしょうか?
最大筋力の80%の重さを使った高強度のトレーニングをした場合は、15%、5%の肥大が見られますが、加圧筋力トレーニングと同じ強度で加圧をしない場合では5%、0%の肥大という結果でした。
これはどういうことかというと、低強度の通常のトレーニングのみの場合はほとんど効果がなく、この効果は加圧をしたことによって現れたと考えることができるのです。
また、太さだけではなく実際の筋力も平均で20%上昇し、同時に筋持久力も増えることがわかっています。
筋力と筋持久力が同時に増えるような一挙両得のトレーニングはなかなかありません。
トレーニングの原則を破る夢のトレーニングと言えます。